【完】キミと生きた証
数日前、終業式と離任式の終わった放課後。



部活のあるひとは急いで部活に行ったあとだけど、それなりにまだ人数も残ってる教室で、クラス替え前のみんなは名残惜しくお喋りしてたんだって。



そしたら、教室の扉がバシンと乱暴に開けられた。



教卓の前には、金髪の名残のある黒髪に、ピアスをいっぱいつけた男子生徒。


その制服の着こなしから、一発で「北工生」と見抜かれた。


睨みつけるような目つきで教室を見渡す。



教室中が固まった。



『・・・書いてほしいんだけど。』



って、静かな教室に響く、低い声。



その手に握られた、ピンクのくまのぬいぐるみは、首をしめられるように持ち上げられてる。



みんながゴクンと唾を飲んだ時、



「あっれー?瞬くん、どうしたの?」


ってお手洗いから戻ってきた仁奈ちゃんが、瞬の肩をバシーンとはたいた。



『やめとけ!!』みんなは心の中で叫んだんだって。



「あ、みんな、この人、ちーちゃんの彼氏だよ?」


「「「えーーー!!!」」」



「大丈夫、噛みやしないよ。」




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