【完】キミと生きた証
そう思ってる矢先のこと。



「・・・っ。」



ちとせが顔をゆがめた。


「どうした?」



「はぁ・・。ヘーキ。いつもの・・こと。」



深呼吸をして、息を整えてる。



俺はナースコールに手を伸ばすけど、ちとせはいらないって言う。



「ほんとに・・いつもの・・コト。」




苦しそうに息をするちとせの背をたださすってた。



数分間だろうけど、めちゃくちゃ長く感じた。



「・・・収まったか?」


「うん・・。ただの・・動悸。」




これが本当に”いつものこと”なら。


ちとせの体の状態は・・今、どのくらい悪い?



俺ですら、めちゃくちゃ怖いんだ。


震えるちとせは、一体どれだけ怖い思いをしてるんだ。




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