【完】キミと生きた証
夏祭りも目前だった。


瞬の夏の模試は、今までで一番よくて、どの教科も右肩上がり。



「勉強・・調子、いいね。」



あたしは長い言葉も喋れなくなって、夕方まで起きてられなくなった。



夏休みの今日も、瞬は暑い日中にあたしに会いに来てくれてる。



起き上がるのすら、辛い。




瞬に手を伸ばしても、支えるものがなければ、ベッドへと落ちてしまう。



瞬はそんな手を握って、あたしを見つめる。




「しんどそうだな。寝とけよ。ここにいるから。」



瞬は椅子に座って、あたしの髪を撫でた。






瞬の大きな手が、気持ちい。


目を閉じて、手のひらを意識した。



閉じたはずの両目から、涙がにじんで流れていく。



「・・・・っ。」









もう、だめかもしれない。






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