【完】キミと生きた証
「・・・忘れねぇよ。」


瞬の優しい手はあたしの手を握って、震える声で言葉を探してる。



「でも・・もし忘れても、俺が覚えてる。またちとせに思い出させる。心配すんな。」


「・・ありがとう。瞬は・・頼もしいなぁ。」



「だけど・・。」



言葉を待ったけど、瞬はそれ以上なにも言わなかった。



ぐったりと横たわるあたしの頭を撫でてくれた。



目を閉じたくない。瞬がみえなくなるから。


でも、微睡はそれを許さない。


もう一度、眠りにつく間際・・・夢か現実かわからないとき。




「・・・死なねぇから。頑張れよ・・。」




言えなかった瞬の言葉が聞こえた気がした。





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