【完】キミと生きた証
夏の夜に(Side瞬)
Side 瞬
***
真っ暗な闇の中にいる。
病院の駐車場で、俺はひたすら泣き続けた。
携帯ストラップは、俺のポケットから顔を出してる。
”一緒に居て”
そう言ってほしかった・・・。
「・・・瞬くん!」
駐車場に座り込んで、泣き続けてる俺の傍に、ちとせのお母さんが駆け寄った。
「・・・瞬くん・・・ごめんね・・・。本当に、ごめんなさい・・。」
ちとせのお母さんは、涙をこぼしてる。
「ちとせは・・いつ病院、うつるんですか。」
「明日中には・・・出発する予定。」
「どこに・・?」
俺の質問に、涙をいっぱい溜めて、首を横に振った。
「明日・・来ます。ちとせにも・・・言っといてください。会わねえなら、別れないって・・言って、ください。」
涙を拭って立ち上がった俺に、ちとせのお母さんは頷いた。
「ちとせんとこ・・・行ってやってください・・。あいつ、多分泣いてるから。」
涙を拭って、バイクに鍵を差し込んだ。
風を切って走っても、視界がゆがんで路肩に止めて・・・。
”あたしに、瞬を守らせて”
・・・俺が、守りたいって言ったら、わかってくれるだろうか。