【完】キミと生きた証
「名前と、生年月日をお願いします。」
「霧沢・・ちとせ。平成XX年4月5日…うまれ、です。」
・・・ちとせ。
お父さんからもらった、大切な贈り物。
『”ちとせ”って呼ぶわ。こんな縁起のいい名前、呼ばないわけにはいかねえだろ。』
瞬は優しく、呼んでくれた・・・。
今、手術室の扉が開いた。
がちゃんと扉のしまる音。お礼を言いつくしたお母さんと、離れた。
まわりを囲む、たくさんの機械。
あたしは、ぎゅっと目を閉じた。
涙が横に伝っていく。