【完】キミと生きた証
騒がしい待合室。
びっくりしたのか駅員さんがガラス越しに覗いた。
大丈夫って口パクで伝えると、駅員さんは親指を立ててにっと笑って仕事に戻って行った。
「瞬ばっか卑怯だわこれはー!」
「うっせえな・・・人違いって言ってんだろ!!」
あれ?不穏な雰囲気?!
もしかして喧嘩!?
「あの!武石君、この前はありがとう!」
喧嘩を止めようと叫んだら、待合室がぴたりと静かになった。
武石君はぽかーんとこっちを見つめてる。
そして、わっと盛り上がった。
「ほら!やっぱりこの子なんじゃん!!」
「瞬ばっかりセコ!卑怯者!!」
「ちぃちゃんだっけ?アドレス教えて。」
・・・喧嘩の雰囲気どこいったー!?
何、何、北工生って喧嘩してるみたいな口調で”ふつうの会話”をしてるの?!
知らなかった!失敗した!!
北工生がこっちにくる。
いかつくて、いかつくて、いかついひとたちが!!!
ここ、一番後ろの左端の席だもん。
もう逃げ場がない・・・・。