【完】キミと生きた証

家についてまっすぐ3階へ上る。
俺は机に向かって、ノートを開いた。



カレンダーはもうすぐ12月・・・ってことは。


受験までもう4か月を切ってる。



・・・南高の問題集もらわねえなんて。惜しいことしたな。



南高の・・・問題集・・・・。



「・・あ。」



・・・そうだ。すっかり忘れてた。



ちとせと別れて錯乱してたあの日、ちとせのお母さんが俺に南高の参考書をくれたんだ。



ちとせが使ってた参考書だって、よかったら使ってって・・そう言ってたな。



どこに片づけた、か・・・って、部屋が汚ねえ・・・。



「・・・はぁ。」



溜息をつきながら、あれこれとひっくり返した。



俺がドタンバタンと音を立ててるのが、一階まで聞こえたらしい。



「ちょっと瞬!?またグレたの!?」



俺の部屋の扉を開けた母親の顔は、唖然だった。




「・・・何よ、この部屋・・。こんな汚い部屋で勉強してたら落ちるわよ!」



「縁起でもねえことさらっと言うよな。」




母親も加わって、問題集探しが始まった。



俺が問題集を探すのと同時進行で部屋を片付けてくれたおかげで、ちとせのお母さんから貰った紙袋を見つけた頃には、部屋は綺麗に片付いてた。



「・・・さすが歯医者だな。潔癖か」



「あんた医者になりたいなら、自分のものくらいしっかり管理しなさい!」



”国立・公立受験対策”



これだ。みつけた。



・・・やるか。





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