【完】キミと生きた証
「ちとせ・・・。大事なは・」『ハーイ!では、今からビンゴ大会をはじめまーす!!』



マイクを通したサンタさんの声が会場に響いた。


話を遮られた瞬は、ちっ、と舌打ち。


あたしはくすりと笑って、瞬に問う。



「瞬、なんだった?」



「・・・いや、いい。あとで言う。それよりビンゴするか?」


「うん。したい!」


「だと思った。」



・・・デジャブ?


ふふっ。あたしたち・・全然変わらない。




『最初の番号はー15番、15番です!!!』



「お、開いた。」


「はやい!幸先いいね。」



にこにこ笑うと、瞬も笑う。


出逢った時は、たまーにしか、笑ってくれなかったのに。


・・・嬉しいな。





ビンゴはもう中盤へ。



『次の番号はー9番!9番です!』



「お、ちとせも開いたじゃん。」


「うんっ!って、瞬、すごーい・・!もうダブルリーチ?」



「よく見ろ、トリプルだ。」


「すごいすごい!」



はしゃぐあたしを、嬉しそうに見つめる。



一番心配してくれた瞬。


まだ、腎臓の障害はのこるけど、できる限り元気な姿を見せていたい。




『次の番号はー20番!20番です!』




「・・・俺、縦全部開いたわ。」



「え?ビンゴ!?一番乗りだぁ!」




瞬はビンゴのカードを係の人に見せに行って戻ってきた。



「よっしゃ。あとで景品もらえるって。」




にっと笑う瞬が可愛い・・・。




「おめでとうー!」



「・・・おめでと。」


「なんであたしにおめでとう?」


「・・・べつに。あ、ほら、次の番号読まれてんぞ。」




あっという間にビンゴが終わった。


あたしは結局、今回もダブルリーチ止まりかぁ・・。



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