【完】キミと生きた証
『・・・ちとせ!』
「え!?」
瞬はまっすぐあたしをみつめてる。
一瞬ざわめいた会場、かたんとマイクの揺れる音。
瞬のつくる沈黙に、会場中が耳を澄ませた。
『お前と初めて会った・・高校生の時から。一緒に過ごした2年間も、離れて過ごした7年間も・・・お前と再会するまでずっと。俺にとってちとせは・・・生きる希望だった。』
二度目の沈黙に、会場もしんと静まる。
「がんばれー」「がんばってー」
会場のあちこちでエールが飛び交っていく。
あたしは突然の演説に戸惑いながらも、まっすぐ、瞬をみつめた。