【完】キミと生きた証
――――・・・・。
けやきの駅の待合室、ガラスの扉をがらがらと開けると、端っこに座ってあたしを待ってる、大好きな人。
「ごめん、おまたせ!」
「おう。来たか。」
「うん!でも今日はなんでけやきの駅で待ち合わせなの?」
あたしたちは左の端っこに座って手を繋ぐ。
「この近辺で・・探しにいこうかと思ってるから。」
「なにを?」
「・・・新居に決まってんだろ。」
「もう!?」
目をぱちぱちさせるあたしを見て、瞬は、にっと笑う。
「物件の冊子持ってきた。見るか?」
「うん・・・見たい!」
「こことか、駅近。」
「でも電車1時間に一本しか来ないよ?」
「いんじゃね?それもそれで。」
「えぇー?でも、そっか。へへっ。」
けやきの駅の端っこは、あたしたちの幸せの始まり。
・・・・そして。それはこれからも。
今日も端っこ、待ち合わせ。
(完)