【完】キミと生きた証
あたしの足でもあっさりとたどり着く最寄駅。『けやきの駅』


けやきの駅につけば、いつものように人がまばら。


いつもと違うのは、緑の小さな黒板に「30分程度遅延しています」の文字が書いてあること。


ってことは、あと1時間以上来ないのかな。



だからかな?
みんな黒板を確認すると待合室には入らずに駅を出て行ってしまう。


木の枠でふちどられたガラスの扉をガラガラと開けて、待合室に入った。



あったかーい…。幸せ。



今はほとんどお目にかかれないアンティークすぎる石油ストーブの上に、こぽこぽ湯気を立てるお鍋が乗ってる。



加湿器の変わりなんだって、駅員さんが言ってた。



あたしはお気に入りの待合室の隅っこに腰を掛けた。





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