【完】キミと生きた証
「ちぃは?将来何になんの?」
「あたし?…そうだなぁ。」
ちぃは天井を見上げ、口元をほころばせながら、ゆっくり口を開いた。
「・・・頼られたいかな。」
「頼られる?」
「うん。あたしいつも頼ってばっかりだから。頼られる人になれたらなって思う。」
やけに曖昧な夢だな。
頼られる仕事?
何がある?
「医者か?」
「無理だよ。体力いるもん。」
「じゃあ、なんだ?学校の先生とか?」
「同じ。体力いるし、休めないもん。」
「お前そんなに体弱いのか?」
「うん。手帳は1級だよ。」
何が1級だかよくわかんねえけど、か弱いのか。
このころの俺は障害者手帳がなんなのかも知らねえし、まして1級がどれほど重いのかも知らなかった。