【完】キミと生きた証
隅っこで
Side 霧沢ちとせ
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今日も瞬と待ち合わせをした。
「ちーちゃん、最近やけに楽しそうだね?」
「へへ、そっかなぁ。」
「もうすぐテストだぞー?瞬君に浮かれてる場合じゃないよー?」
頬にえくぼ。いたずらっこのような笑みを浮かべる仁奈ちゃん。
「大丈夫!単語帳作ったもん。」
「また可愛いのつくったねー!」
「色で覚えるんだよ仁奈ちゃん!」
「いつもそれ言うけど、仁奈そんなに器用じゃないから真似できないよ!」
あたしの単語帳はカラフルにできてる。
いろんな色と絵をおりまぜて、イメージで思い出すの。
「瞬君とどんな話したの?」
「学校のこととか、あと病気のこと言った。」
「なんだって?」
「へぇって感じで聞いてたよ!治るのか?って。」
「そうなんだ。なんて答えたの?」
そう聞く仁奈ちゃんを、笑ってごまかした。
治るの?って仁奈ちゃんも聞きたいんだと思うけど。
ごめん、多分、治らない。