【完】キミと生きた証
「・・・っうぅー・・・。」



動悸が収まって、徐々に吐き気も落ち着いてきた。


息が切れて、めまいがするけど・・・。


あぁ、最悪。


こんなの・・・絶対引かれた。



「落ち着いたか?」



涙をこぼしながら頷いた。



駅員さんが駆けつけてくれた。



「ちとせちゃん大丈夫か?!」



「ごめ・・・なさい。ここ、そうじ・・。」


「気にすんな。駅の掃除はいつも俺がやってる仕事だろ?」


「でも・・」


「俺に任せて。君、ちとせちゃん頼んでいい?お母さんに電話してくるから。」



瞬がうなずいて、あたしはゆっくり立ち上がった。


駅員さんはお礼を言うあたしに親指を立てて見せた。




「大丈夫か?」


「ありがと・・・・。ごめんね。」



瞬が差し出してくれた水をもって女子トイレで口をゆすいだ。


鏡に映ったあたしの顔は顔面蒼白、唇は青い。


お化けみたい。

なんでこんななんだろう・・・。



涙があふれてくる。


「はぁ・・・。はぁ・・・。」


泣くと息が切れるから、泣くのも諦めた。




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