【完】キミと生きた証
「なんかマズイもんでも食ったのか?」
「ううん。たまに・・・こうなるんだ。ごめ、ん。・・・汚れて・・・ない?はぁ・・・。」
「人のことは気にすんな。あっちで座れるか?」
「うん・・・。」
落ち着いたのに、涙がこぼれる。
すすり泣く元気はないけど、涙だけ勝手にこぼれた。
好きな人の前で吐いちゃうなんて、不覚中の不覚。
「ごめんね・・・。あんなの、見せちゃって・・・。」
力なくつぶやくと、
「あの・・・さ。」
瞬が口を開いた。
「飲み会とか、ゲロなんか日常茶飯事だから。」
「飲み会・・・?」
「うん。だから・・なんつーの・・・・。」
沈黙が始まる前に、瞬が頑張って言葉を繋げる。
「そんなくだんねぇこと気にしないでさ。はやく元気になれよ。」
「・・・うん。ありがとう。」
瞬はゆっくりあたしの頭に手をもってきた。
涙を拭うあたしの頭を優しく撫でる大きな手。
「・・・泣きやめ。」
でも、瞬。
逆効果だよ。
優しくて、嬉しくて、切なすぎる。
もっと涙があふれた。