灰かぶりのネコ



君は僕を抱えて路地裏に向かった







傘の下に僕を下ろして







『ごめんね。僕の家では君を飼ってやれないんだ』







って悲しそうな顔で言った







僕は気にしないで、と君の鼻を舐めたんだ







君は少し笑って『もう行くね』って歩いていった







僕は君の小さな背中を見つめてた



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