私の王子様を見つけました
あれ、ここは何処?


拓斗の話声が聞こえる。


多分、誰かと電話をしているのだろう。


「いい加減にしてくれよ。華に恋愛感情を持った事は一度もない。悪いけど俺の事は諦めてくれ。」


どうやら、拓斗の部屋のベットで眠ってしまったようだ。


このまま寝たふりをしよう。


電話が終わると、拓斗がベットに入ってきた。


やばい、ヤバすぎるよ。


ドキドキが半端なくて、ど、どうしよう。


拓斗の腕が回され、ほどこううとするとギュット抱きしめられた。


直ぐに拓斗の寝息が聞こえる。


ちょっと、なんなんですか。


これは何か冗談、もしかしてわざと。


うまく呼吸が出来ないです。


小学生の頃隣の拓斗の家に押しかけて、拓斗のベットにもぐりこんで困らせた事を思い出した。


ごめんなさい、もうしないというと、拓斗は無言のまま私を抱きしめて一緒に眠ってくれたのだ。


まだ拓斗を好きでいてもいいのかな。



怖くて聞けないけど。



暖かい腕の中で、もう一度眠りについた。














< 54 / 61 >

この作品をシェア

pagetop