神様、はじめました。(仮)
1second:扉開けたまらん事を。




「…そらっ…きて…」


「…んっ。」


「蒼空、起きないと遅刻するだろ。」


「ん一…あと、5分。ま…って。」


「たくっ、さっきからそればっかしか言ってないじゃん蒼空。」


「………んん。」


僕の毎朝の日課は、兄である蒼空を起こす所から日常はいつもはじまる。


そして、今日も…



いつものように蒼空の部屋に行き、起こそうとするけれども、蒼空が起きる気配は全く無くて。


僕は、溜息を吐き諦めて部屋を出る。



素早くキッチンへ移動し、エプロンを身に付けフライパンとヘラを持って調理しはじめる。


数分後…


間もなく料理が出来上がるって時だった。


階段をバタバタ駆け下りる騒がしい音が耳に入る。


「祐汰!」


勢い良く扉を開け、リビングに入ってくるなりパジャマ姿のまま、大声で僕の名前を呼ぶ蒼空。


「蒼空、もうちょっと静かに降りてこられない訳?」


「うるっせ一な、それよか腹へったんだけどまだ?」


「もうすぐ出来るから待ってて。それよりも蒼空、いつも言ってるけど、制服に着替えてから来てよねって。」


「しゃ一ねぇじゃん香りにつられてつい。」



「はあ…全く。」



出来上がった料理をテ一ブルへと運ぶ。


僕と蒼空の毎朝の朝食は、決まってフレンチト一ストにサラダにコ一ヒ一にしているのには、理由が有る。


「うお一っ、今日もうまそうじゃん!」



「ありがと一、じゃあ食べようか。」


「いただきます。」と口を揃え、蒼空は待ってましたと言わんばかりにうまそうにフレンチト一ストを食べ始める。


「ん!祐汰が作るフレンチト一ストはやっぱり何回食べてもうまいわ!」


「褒めても何も出ないぞ?」


「まじだよ!」


「はいはい。」


蒼空はフレンチト一ストが大好物で。


朝が弱く、起こしてもなかなか起きてくれない蒼空を起こすにはこの方法が1番と言える。


必ずキッチンで、フレンチト一ストを作る途中で起きてリビングに来てはくれるけど…


パジャマ姿のままなんだよね。


"今日のニュースです…"


食べ終えた蒼空がテ一ブルに置かれたチャンネルを手にし、TVを付けるとニュース番組が流れた。


"昨夜、渋谷区二丁目で何者かに殺害された事件が有りました…殺されたのは数々の窃盗及び盗難をしてきた……"



そのニュースを目にし口を開いた蒼空。


「また事件かよ、最近事件多すぎないか?つか、ココ周辺じゃんかよまた。」


と、言いながら嫌な顔をしてコ一ヒ一を飲みながらもニュースを見る蒼空に、


「しかも、また殺されたのは悪い事をした人みたいだね?」


「ああ。悪い奴に裁きをってか?」


「蒼空、気を付けて帰らないと駄目だよ?」


「いゃ、それ俺の台詞だから。俺よりも祐汰のほうが気を付けて帰らないとだろ一が。」


「なにそれ。」


「そのままの意味だよ。さあ一て制服に着替えて支度すっかな。」


「まだ支度してなかったの?遅刻しちゃうから早くしてよね。」


「お前は、俺のオカンかよ。」


「も、い一から!」


「はいよ一。」


「先に玄関先で待ってるから。」


「お!」


ご飯を食べ終えるなりすぐさま、支度すべく蒼空は自分の部屋へと戻る。


蒼空が、支度をしている間に食べ終わった食器を片付ける。


食器を洗い終えると、カバンを持って玄関先へと向かう。


玄関先で座り込み、靴を履いていると。


その、数分後…


バタバタと階段を掛け降りてくる蒼空。









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