神様、はじめました。(仮)
「蒼空、階段は慌てて降りると危ないだろうって何回も。」
「ゆっくりもたもたしてると学校遅刻すんだろ祐汰まで。いくら自転車登校だからってよ。俺のせいにされたかねぇ一からな!」
「はいはい、じゃあ行こっか。」
僕と蒼空は、家を出て。
自転車へと乗り、学校へと向かった。
「ふぁ一眠っ。」
イビキをしながらペだるをこぐ蒼空。
「授業中居眠りなんかしたらまた先生に、叱られるよ。」
「ば一か居眠り何かしね一よ!」
「それなら、良いけど。」
すげ一眠そうな顔してるけど。
僕と蒼空は双子の兄弟。
兄は蒼空で、弟は僕。
双子なのに全然似ていない顔も性格もだ。
それでも、兄弟であってそれなりに仲良しだし。
正反対な兄弟でも関係はない。
僕達が通う学校は、青葉成城高校。
この春、僕達は無事に進級し2年生になれました。
僕の名前は、風雅 祐汰。
兄のほうは、風雅 蒼空。
同じ教室。
両親は、どちらも今は居なくて祖母が僕達の為に生活費を送ってくれて蒼空と二人暮らしをしながら、何とか高校生活を送っている。
僕達がまだ小さかった頃、母を交通事故で亡くしその上中学生になったと同時に父が忽然と姿を消し、行方不明になってしまった。
祖母の家に引き取られるはずだったのだけれど、祖母の家から学校へ通うのは困難だった為二人暮らしをはじめたとゆ訳。
春、四月になると学校の校門まで一直線に続く坂の周りには沢山の満開に咲き誇る桜の樹が聳え立っていてとても綺麗なのだ。
そんな桜に囲まれたこの坂を、自転車で走りながら毎日学校へと登校する。
* * *
ガラッ─…
学校へと到着し、僕と蒼空は2階教室の3組の教室の扉を開ける。
「おはよ一」と挨拶しながらも、教室の中に入ってくと─…
「おっ、蒼空と祐汰の登場だ!」
「おはよう蒼空君、ゆ一ちゃん。」
「蒼空と祐汰は今日もギリギリ登校だったな?もうすぐ、ホ一ムル一ムはじまる。」
仲良くしている友達が、僕と蒼空に話し掛けてくる。
1番最初に、話しかけてきたのは小田
翔陽。
とにかく元気でノリが良く絡みやすい性格をしている。
「蒼空、また祐汰に起こしてもらったのかよ?あはは!いい加減1人で起きろっつ一の。」
「ンだよ、翔陽にだけは言われたくないな。」
すぐさま翔陽は、蒼空の隣に近寄って来て挑発するような口ぶりで話しかけてくる。
「何だよ俺にだけって一のは!」
「翔陽には、わからね一だろうけどそのままの意味だよば一か。」
「馬鹿って何だよ!馬鹿って!」
「うわっ!」
翔陽は、蒼空の背後にまわり、後ろから首に腕をまわし、背中に飛び付く。
「翔陽…馬鹿!重いだろ!」
じたばたと体を動かし翔陽から離れようとするも、そうはさせまいと翔陽は蒼空の背中に乗りかかる。
「お前が俺を馬鹿にすっからだ!とりあえず、俺の重さで潰れようか蒼空くん、あはは。」
「うわ、うぜぇ一っ。」
「何か言ったか?」
「何も言ってねぇ一よ。つか、早くどけよ重くてたまんないわ!」
蒼空と、翔陽はとにかく二人仲良しだ。
中学時代からの友達だからなんだろうけど。
「蒼空君と翔陽君、相変わらず仲良しだねゆ一ちゃん?」
「そうだね。あの二人がああなのはいつもの事だし、あはは。」
翔陽の後に、話しかけてきたのは鈴木 渚。
大人しくて、引っ込み思案で、そわそわしい性格。