神様、はじめました。(仮)



駄目だ…全然起きてくれないし。


そんな様子を翔陽と渚と風太が気付く。


「ゆ一ちゃん、蒼空君寝ちゃったの?」


「…みたい。」


「そのままにしとけ、見付かって怒れてもそれは授業中寝たりなんかする蒼空が悪い。」


「でも…風太。」


「ほっておけば?何か、面白そうじゃん!くくっ、蒼空が怒られちゃう姿が見れるかも~」


「ちょ…それじゃ蒼空君が可哀想だよ。起こしてあげないとだよ。それに翔陽君また朝みたいに蒼空君に怒られるかも…」


「それは、勘弁だわ。」


皆、小声で話しをする。


「けど、直ぐに起きるような奴じゃないだろ蒼空は。爆睡だぞ。」


僕と渚と風太と翔陽は、すやすやと眠る蒼空の方に視線を向ける。


その時だった─…


先生が、すたすたとこっちに歩いてきた。


やば…


先生は、蒼空に近寄り


立てかけている教科書を取り上げた。


「風雅君、授業中に寝る何ていい度胸しているわね。」


その瞬間、先生はそう言って蒼空の耳を思い切り引っ張り上げ、蒼空を椅子から立ち上がらせた。


「あいででででぇ一!」


と、同時に蒼空は目を覚ますなり耳から痛みがはしり、思わず叫ぶ。


「痛い痛い痛い!離してよせっ…先生!?」


蒼空は、ハッとしながら先生の顔を唖然と見詰めた。


そして…今は授業中だって事もすぐに理解した。


「風雅君、授業中に居眠りをしましたね?」


「す、すみませ…」


耳を思い切りつねられ痛いおもいをしながらも、謝ろうとする蒼空の隣で笑いを堪えている翔陽に、蒼空は気付く。


「翔陽、てめぇ一!」


蒼空のその言葉に肩をビクつかせ、笑いをピタッとやめる翔陽。


「風雅君、今は友達よりも先生との話しが最優先です。」


翔陽に気を取られよそ見をする蒼空に、先生は更に強く耳をつねる。


「い…痛い痛い痛い!力入れないで先生!耳取れたらどうするんだよ!」


「耳は、簡単には取れません。」


「もう、寝ないから!」


「帰り、職員室に来なさい。逃げたりしたら許しませんからそのつもりでね風雅君。」


「…はい。」


パッと耳を離し、先生は教壇へ戻り。


赤くなってしまった耳をさすりながらも、しぶしぶ椅子に座る蒼空。


「何で、俺が職員室何かにわざわざ行かね一といけないんだよ。」


「授業中居眠りしたりする、蒼空がいけないんだよ。」


僕は、小声で蒼空に話す。


「…ちぇ。」


蒼空は、行きたくなさそうな顔でその後の残り時間の授業を受けた。



6限目が、終わり。


先生は、授業が終わると共に「放課後必ず来るのよ。」とだけ蒼空に言い残し教室を後にした。


「あのくそ女教師め!手加減てのをしらないんだな。あれでも教師かよ。まじ、痛かったわ。」


先生が、居なくなるやいなか蒼空は先生の悪口を言い始めるわ。


「仕方ないよ、蒼空君授業中寝たりするから怒られるのも…。」


「渚に、同感だ。」


渚と風太が、そんな蒼空に言う。


翔陽は…


「あの先生まじで、怖かったわ!あれは担任のやじまっちよりも怖い通り越してる!」


「翔陽、お前笑ってただろ。」


「え!?いや、わ、笑ってない笑ってない!」


「俺が、気付いてないとでも思うのかよ。隣の席だった事しやがれ!」


「わわ!」


蒼空は、翔陽に思い切り飛び掛る。


「またはじまっちゃったね蒼空君と翔陽君。」


「全く、仲が悪いのやら良いのやらわからないよねあの二人は。」


「ほっとけ、いつもの事だろ。」


「そだね。」





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