宮川修内太の異常な日常~魔女の瞳番外編~
月曜日
月曜日の朝は嫌いだ。

何が嫌いって、こっちの生活リズムを無理矢理に変えてまで一週間を始めようとするその図々しさが好きではない。

が、それは俺一人が強いられている事ではない。

世界中全ての人間が、『月曜日は一週間の始まり』と認識している。

つまりこれは世界の常識。

世界共通のルール。

ルールは守る為にある。

破る為に存在するのだ、なんて意見は、守れない者の言い訳だと思う。

だから嫌いだろうが、夜更かしが祟ってベッドから起き上がるのが無性に憂鬱だろうが、今日もルールを遵守する為に、俺…宮川修内太は起き上がるのである。

で、起き上がった拍子に。

「あたっ」

頭上に位置する棚の上に危うい角度で置いてあったモデルガンが、俺の頭の上に落ちてきたりする訳だが。

…コルトガバメント。

正式名称はコルトM1911A1。

その名の通り1911年に米軍に正式採用された自動拳銃。

約40年もの間、米軍の制式軍用拳銃の座を守り続けてきた、ガンマニアならば今更説明の必要もないほど有名かつファンの多い拳銃だ。

…学校では真面目、優等生というのではないが融通が利かない、と思われている俺の唯一の趣味が、このモデルガンである。

別に公園の野鳥や野良犬を撃って優越に浸るような悪趣味ではない。

が、男に生まれたからには、こういうテッポウに興味を持つのは仕方がないと思うのだ。

< 1 / 80 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop