宮川修内太の異常な日常~魔女の瞳番外編~
「その呪眼なんだけど」

ティーカップの紅茶で喉を潤し、メグは説明を続ける。

「まぁ例えるなら虫眼鏡みたいなものかしら」

「虫眼鏡?」

俺は首を傾げる。

…メグに言わせるとこうだ。

普段はただ物を見る為だけの道具。

呪眼とて基本は眼球だ。

物を見る性能は普通の眼球と変わりない。

ただ、たまに余計なものも見える。

死んだ者の姿…俗に言う霊とか、生きている人間の前世の姿が見える事もあるのだとか。

まぁこの辺は呪眼がランダムに見せるものなので、こちらの意思ではどうにも出来ないらしいが。

さて、問題はここからだ。

何でも良く見える虫眼鏡。

その虫眼鏡に日の光を通すとどうなるか。

…小学生の理科の実験レベルだ。

答えは説明しなくてもわかるだろう。

日の光は虫眼鏡を通して収束され、膨大な熱を発生させるに至る。

それこそ炎を発生させるほどに。

呪眼はまさにそれなのだ。

この場合、日の光は魔力である。

呪眼に魔力を通す事で魔術が発動する。

それが意識的であれ無意識であれ、魔力を通すと呪眼は作動するのだ。

< 15 / 80 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop