宮川修内太の異常な日常~魔女の瞳番外編~
普段の生活でも、呪眼は魔力を欲している。

なので魔力を吸われ、呪眼を持つ者は少し疲れやすかったりする。

更に無意識のうちに多くの魔力が呪眼に流れてしまった場合…。

本人の意図しないところで、呪眼は魔術を暴発させてしまう恐れすらある。

「修内太に覚えてもらいたいのはそれなのよ」

メグは肩にかかった髪を片手で払う。

「自分の体内にある魔力のコントロール。呪眼に無駄に魔力が流れ込まないようにするやり方、呪眼に適度に魔力を与える方法、効率のいい魔術の行使。貴方にはその辺を教えてあげたいの」

メグの言葉に、俺はコクコクと頷く。

成程。

彼女の説明はよくわかった。

確かに説明されると、呪眼がただの眼球ではない事が改めて理解できる。

無意識のうちにでも魔術を行使しようとしてしまうのだ。

もし授業中に魔術が暴発してしまったら。

もし寝ている間に魔術が暴発してしまったら…。

考えるだに恐ろしい。

これは真剣にメグの授業に取り組む必要がありそうだ。

「さしあたって、今日もお弁当食べてもらったから大丈夫よ」

メグが言う。

「あのお弁当は、魔力の活性化を抑える薬草を調理したものよ。魔力の暴走の時に治療として使うものなんだけどね」

ならしばらくは、俺の体の中で魔力が勝手に呪眼に流れ込むって事はないだろう。

「ただ、一日程度の効果しかないから。これからも学校にはお弁当持ってこないでね。私が今日と同じの作っていってあげるから」

「……」

それはそれで、辛いものがある。

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