宮川修内太の異常な日常~魔女の瞳番外編~
メグが部屋の壁際にある大きな時計を見た。

童謡に出てくるような大きな古時計だ。

きっとアンティークとしても相当値の張るものなのだろう。

「午後六時か…まだ時間あるわね。もう少し…そうね、属性の話でもしておこうかしら」

「属性?」

術者それぞれにある、得手不得手の話と考えて差し支えない。

魔道の世界には『元素』という考え方がある。

この世界を形作る四つの基本元素。

地、水、火、風。

大抵の術者は、この四つの属性のどれかに当てはまる。

もっと細かく言えば光だの闇だの雷だの毒だのと属性は数多いのだが、基本はこの四つ。

地は地形操作系、植物を操ったりする魔術もこれに当たる。

水属性には氷も含まれる。

温度を下げる、凍りつかせる魔術は熱力学第二の法則に背く現象を引き起こす事であり、極めて高度な技術なんだとか。

火は殺傷系の魔術では最もポピュラーなもの。

火球や火柱、爆発や温度上昇など、バリエーションも多い。

風は主に風圧による斬撃や竜巻などによる攻撃。

使いようによっては飛翔や運動能力向上にも利用できる。

「私のオススメは風属性ね。応用次第で色んな使い方が出来る。特に運動能力向上っていうのは役に立つと思うわ。魔術が使えても、基本的に術者はただの人間と肉体的には変わらないから。風を利用した障壁なんかで補うのも効果的ね」

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