宮川修内太の異常な日常~魔女の瞳番外編~
その後、二度三度と『矢』の魔術を行使した所で。

「もう勘弁してくれ、メグ…」

俺は床に大の字になっていた。

あっという間に魔力が底をついてしまった。

「情けないわねぇ」

またも溜息をつくメグ。

「まぁたかだか魔力が十程度しかない未熟者の修内太じゃあ、こんなもんかぁ」

五百も魔力を貯蔵している次元違いの魔女に言われたくない。

とにかく今日の授業はこの辺にしておいて貰わないと、俺は明日学校を休まなければならない。

「じゃあそうしましょうか。続きは明日ね」

そう言って。

メグは大の字になっている俺のそばまで歩み寄ると、俺に肩を貸してくれた。

「お、おい?」

「一人じゃ階段上がれないでしょ?上のソファで横になって休みなさい。落ち着いたら今日はもう帰っていいから」

そんな事を呟くメグの横顔は、稀代の魔女なんて呼ばれているとはとても思えないほど、身近などこにでもいる、十七歳の少女に見えた。

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