宮川修内太の異常な日常～魔女の瞳番外編～
何となく模擬戦闘を続ける雰囲気ではなくなってしまった。

一旦応接間に戻り、休憩にする。

俺も魔力が切れ掛かっていたし、ちょうどよかった。

時間は午後九時。

明日は学校も休みだし、ちょっと長居している。

いつものようにメグの入れた紅茶を飲みながら、雑談混じりの魔術講座に花が咲いていた。

「なぁメグ、魔術魔術って言うけど、『魔術』と『魔法』ってどう違うんだ？｣

俺は紅茶に砂糖を加えながら言う。

コーヒーはちょっと苦めが好きだが、紅茶は甘すぎるくらいの方が好みだ。

「あら、修内太にしてはなかなかいい質問じゃない｣

メグが微笑んだ。

「これはあくまでデッドゲイト家の定義であって、他の魔術師や魔女はどうなのか知らないけど｣

そう前置きしてメグは説明を始めた。

デッドゲイト家では、『異なる世界』に干渉する魔道技術を『魔法』と定義している。

例えば召喚術。

精霊や魔物など、俺達の住んでいるこの世界とは別の世界…即ち異世界から召喚するという行為は、『異なる世界への干渉』である。

だからデッドゲイト家では『召喚魔術』ではなく『召喚魔法』なのだ。
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