宮川修内太の異常な日常~魔女の瞳番外編~
「ところで修内太」

メグは俺の顔を見る。

「コンビニでお昼買うくらいなら、こういうのはどう?」

そう言って彼女が俺の目の前に差し出したのは、小さな巾着袋に入った箱らしきものだった。

…形、大きさから見るに、これは…。

「弁当?」

「うん、早起きして作ったのよ?」

そう言ってメグは、

「食べて、くれるよね?」

ポッと頬を赤らめて。

魔女らしからぬ可愛らしい表情を俺に向けた。

…困る。

美人で可愛い卑怯な顔立ちの持ち主に、目の前でこういう表情をされるのは非常に困るのだ。

さっきから登校中の我が校の生徒達が、じろじろと俺とメグのやり取りを見ている。

道端で朝からイチャつくお前らは何者だ、と言いたげな顔だ。

「わかった、わかったから」

俺は巾着袋を受け取る。

「よかったぁ、食べてくれるのね?」

ニッコリと微笑むメグ。

だが、この笑顔に騙されてはいけない。

何せ俺は恋人ではなく『相棒』であり、彼女は女子高生である前に『魔女』なのだ。

魔女が作る弁当など、普通の弁当である訳がなかった。

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