宮川修内太の異常な日常~魔女の瞳番外編~
気取られないように、ゆっくりと右手を竜に向ける。

そしてイメージを…。

「やめておけ小僧」

振り向きもせずに竜に言われ、ビクリとした。

「貴様如き虫けらに何が出来る?多少魔力を持ってはいるようだが、そのようなもの俺の鱗を傷つける事すら出来ぬわ。そこで震えて隠れていろ。俺を出してくれた礼だ、見逃してやる」

フンと。

嘲笑うように竜は言う。

…一瞬、その言葉にすがりたくなる。

このままじっとしていれば、俺は助かるかもしれない。

だが!

「うるっせえトカゲ野郎!!」

俺はできうる限り素早く、頭の中でイメージした。

ロケットランチャー。

この巨体だ、俺でも外しっこない!!

「吹っ飛びやがれ!!」

引き金を引くイメージと共に、俺の中に内在している魔力のありったけを込めた矢の魔術が行使される!!

槍とも見紛うほどのその矢は、一直線に竜の脇腹に直撃!!

凄まじい爆発を引き起こし。

「…気が済んだか?」

俺には鱗一つ傷つけられないという現実を、まざまざと見せ付けた。

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