宮川修内太の異常な日常~魔女の瞳番外編~
その日の昼休み。

一緒に昼食をとろうと誘ってくるクラスメイト達を丁重に断って、メグは俺を校舎の屋上へと連れ出した。

…メグはクラスメイトには冷たい。

冷たいというのは少し違うか。

愛想はいいのだが、どこか一線引いた感じだ。

「私、人間嫌いなの」

その事を訊くと決まってそんな返事が返ってくる。

俺も人間なんだけどな。

それを言った時の答えも決まっている。

「修内太はいいのよ、非常識な人間なんだから」

…何とも複雑な心境になる答えだが。

俺はメグにとって『興味深い存在』らしいのだ。

それはともかく屋上に上がった俺とメグは、街を一望できる見晴らしのいい位置に陣取る。

さてご開帳だ。

今朝方メグから受け取った弁当箱を、意を決して開いてみる。

「……」

意外にも中身は普通の弁当だった。

パセリライス、チーズを紫蘇の葉と鶏のささ身で巻いて揚げた物、刻んだ韮を混ぜ込んで焼いた卵焼きなどなど。

手の込んだ料理だし、冷凍食品の気配は一切なく全て手作りのようだった。

これは取り越し苦労だったかもしれない。

俺はメグに「頂きます」と一言言った後、まずは鶏のささ身の揚げ物を口にして。

「っ!!」

絶句した。


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