宮川修内太の異常な日常~魔女の瞳番外編~
俺の目一杯の一撃。

それを以ってしても、この竜にはダメージ一つ与えられない。

「愚物が」

竜はもう一度ギロリと俺を睨んだ後。

「!!!!!」

ワニのように大きく裂けたその口から、高熱の吐息を吐き出した!!

炎の息。

竜種を竜種たらしめている最強の武器。

正確に言えば炎ではなくただの息なのだが、これほどの超高熱だ。

受ける側にしてみれば炎に等しい。

俺は咄嗟に横に飛んで炎の直撃をかわすものの。

「うああああっ!!」

その余波だけで、皮膚が焼け焦げるような痛みを感じてうめき声を上げた。

更に。

「っ…!!!!」

突然死角から凄まじい衝撃。

大木のような竜の尾が、俺の脇腹を打ち据えたのだ。

ミシミシと、嫌な音が脇腹から聞こえた。

俺はメグのような障壁などまだ使えない。

尾の打撃を受けた俺の肋骨は、枯れ枝のようにたやすくへし折られた。

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