宮川修内太の異常な日常~魔女の瞳番外編~
竜の尾もまた、硬質の鱗に覆われている。
そんな尾の先端が、常人の目では捉えきれないほどの速度で襲い掛かってくるのだ。
メグの体など簡単に貫いてしまう。
しかし。
「メグ!お前…!」
中世の時代より幾多の魔女狩りを乗り越えてきた生粋の魔女。
魔道の名門、デッドゲイト家の後継者たるメグが、いかに竜相手とはいえこの体たらくは不甲斐なさ過ぎるのではないだろうか。
…俺がそう気づくくらいなのだ。
「魔女、貴様…」
竜はメグを尾で貫いたまま、疑念の眼差しを送る。
「何故かわさなかった…貴様の事だ、既に『強化』の魔術は行使済みだろう。さっきの攻撃程度、かわせぬ筈はあるまい」
「…フン」
口元の血の筋を拭いながら、メグは竜を睨み返した。
「百年前…あんたをあの小瓶に封じ込めた時は、四日間戦い続けたんだっけ…疲れるったらなかったわ…私は二度もあんたに付き合うほど暇じゃないの」
そう言って。
「修内太」
彼女は俺の顔を見た。
「デッドゲイトの『禁呪』、知りたがってたわよね…見せてあげる…!」
そんな尾の先端が、常人の目では捉えきれないほどの速度で襲い掛かってくるのだ。
メグの体など簡単に貫いてしまう。
しかし。
「メグ!お前…!」
中世の時代より幾多の魔女狩りを乗り越えてきた生粋の魔女。
魔道の名門、デッドゲイト家の後継者たるメグが、いかに竜相手とはいえこの体たらくは不甲斐なさ過ぎるのではないだろうか。
…俺がそう気づくくらいなのだ。
「魔女、貴様…」
竜はメグを尾で貫いたまま、疑念の眼差しを送る。
「何故かわさなかった…貴様の事だ、既に『強化』の魔術は行使済みだろう。さっきの攻撃程度、かわせぬ筈はあるまい」
「…フン」
口元の血の筋を拭いながら、メグは竜を睨み返した。
「百年前…あんたをあの小瓶に封じ込めた時は、四日間戦い続けたんだっけ…疲れるったらなかったわ…私は二度もあんたに付き合うほど暇じゃないの」
そう言って。
「修内太」
彼女は俺の顔を見た。
「デッドゲイトの『禁呪』、知りたがってたわよね…見せてあげる…!」