宮川修内太の異常な日常~魔女の瞳番外編~
「いかに強力な禁呪であろうと、術者さえ葬ってしまえば!!」

その巨体と突進力を利して、メグを圧殺しようとしたのか。

しかし。

「わかってないわね」

メグは溜息をつく。

「この禁呪は、開門した時点で既に完成しているの。そして、開門してあんたを死の世界に誘った時点で、既にあんたの命運は決まっている」

ゆっくりと。

静かに扉を閉めるかのように、メグは目を閉じる。

「もう一度言うわ。ここは『死の世界』…死んだ者が来る世界よ。ここに来た時点で」

スゥッと。

死の世界に塗り替えられていた地下室が、元の石造りの姿を取り戻していく。

「あんたは死んでいるの」

ただ、元に戻った地下室に、竜の姿だけはなくなっていた。

…異界開門は、発動した瞬間に相手を死に引きずり込む。

つまり発動した時点で、相手は死亡決定なのだ。

そこに術を破る方法や、自らの魔術を行使する術はない。

発動した以上、死は絶対。

それこそがデッドゲイト家に伝わる禁呪、異界開門だったのだ。



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