宮川修内太の異常な日常～魔女の瞳番外編～

結論から言うと。

紫蘇の葉だと思っていたものも、パセリだと思っていたものも、韮だと思っていたものも。

…全て名称すらわからない怪しげな薬草だったのだ。

「吐いちゃ駄目。飲み込みなさい｣

じと目でメグが言う。

メグ曰く、これは全て呪眼に体が馴染むようにする為の体質改善料理なのだそうだ。

魔女は幼い頃からこうやって薬草や怪しげな薬を飲まされ、少しずつ魔術に耐えられる体質に改善していくのだとか。

「まだ味を気にしてあげるだけマシだからね。私なんてただお湯を注いで薬湯にして飲まされたんだから。舌が腐り落ちそうなほど不味かったわよ」

腕組みして睨みつけるメグを目の前にすると、吐くに吐けない。

俺は涙目になりながら、その薬草弁当を無理矢理胃袋におさめた。





やっとの思いで弁当を平らげ、フェンスによっかかって胃を落ち着かせていると。

「修内太、明日から放課後、私の家に寄って行きなさい｣

メグが言った。

「ん？構わないけど…なんか用なのか？｣

「ええ」

メグは人差し指をピッと立てる。

「今週一週間、貴方に徹底的に呪眼の使い方を教え込むわ。ついでに魔術の基礎知識もね｣