宮川修内太の異常な日常～魔女の瞳番外編～
「別に俺は魔術習いたいなんて思っていないぞ｣

反論する俺の鼻先に、メグは人差し指を突きつけた。

「わかってないわね。これは貴方の為なのよ？」

「俺の為？」

キョトンとする俺。

「そうよ。貴方のその左目…呪眼は本来人間の肉体に合うようにはできていないの。魔力を通しさえしなければただの眼球だけど、修内太には常人より多めの魔力が内在しているんだから、貴方の意思に反していつ呪眼が思わぬ動きを見せるかわからない」

成程…そんな時、俺一人でも対処できるようにという訳か。

俺の言葉にメグは頷いた。

「今日のそのお弁当もその一環。貴方が思っている以上に呪眼は危険なシロモノよ。私も成り行きだったとはいえ、貴方にその眼を移植した責任があるわ。日常生活を不自由なく送れるように、最低限の知識は教えておかないと｣

メグはメグなりに俺の事を考えていてくれたらしい。

「すまなかった。そういう事ならよろしく頼む｣

姿勢を正し、深々と頭を下げると。

「わわ…そ、そこまでしなくていいわよっ、言ったでしょ、私にも責任があるんだってっ」

恐縮したように、メグはワタワタと両手を振った。



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