ひとりじめしたい。~イジワルで甘いお隣さん~


「っ……わかった……」



きっと海は聞きたいことがいっぱいあるんだろうけど、あえて何も触れようとはしなかった。



これが海の優しさ。




「じゃあせめてこいつに家まで送らせて!!」



「へ!?」


「は!?」



さっきみたいに工くんの襟元を掴んで引っ張る。



お、送ってもらう!?


しかも工くんに!?



「いやいや!!大丈夫だよ!!」



「ダメ!美乃里は女の子なんだよ!?危ないよ!!」


いやいや、海も女の子でしょうが……



それに……



「なんで俺が」


こんな不機嫌な人に送って行ってもらう方が怖いよ―っ!!


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