ひとりじめしたい。~イジワルで甘いお隣さん~
「それ気に入ったわけ?」
「は?」
たまたま手に持っていたチワワのマスコット人形。
ふわふわしてて、目がくりくりしてて、柔らかくてかわいい。
なんかこれ……美乃里に似てる。
「ふっ……」
「なに突然笑ってんの?」
「あっ、いや。別に」
「ふぅーん、変な蜜」
そう言って透子は違う雑貨を見に行った。
……ほんと、美乃里に似てる。
見ればみるほど、このチワワが美乃里にしか見えなくなってくる。
俺はそのチワワのマスコットを手に持って、会計へと向かった……
「はぁ―!買った買った!!」
満足そうに両手に紙袋をぶら下げて、俺の前を歩く透子。