ひとりじめしたい。~イジワルで甘いお隣さん~


そんなあたしの頭の上に、大きい手がそっと撫でてきた。



「怖かったね」


「へ?」


……どういうこと?


「あんな風に知らない人に声をかけられたら、誰でも怖くなっちゃうよね」


優しい言葉……


温かい手……



「っ……」



じんわりと、瞳に涙がにじんでくる。


「美乃里ちゃん」


――ギュッ


「え……」



しゃがみこんでいるあたしに合わせて、屈んだお隣さんがそっと抱きしめてくる。


こんなの変だ。


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