ひとりじめしたい。~イジワルで甘いお隣さん~
そもそも今日初めて出会った人。
名前もまだ知らない他人。
なのに……
背中をポンポンと優しく撫でる彼の手が優しくて……
そっとその腕に体を預けた。
あぁ、人の体温って、こんなに温かったんだ―……
――――――――……
「うわっ!うまっ!!」
「普通のカレーですが……」
「いやいや、この定番の料理をうまく作れるって重要だよ!」
「そ、そうですか……」
「俺、カレー大好物なんだよ!!」
人懐っこい顔であたしに笑いかける彼。
優しい人だな……
「何か隠し味とかある?」
「隠し味……ですか?」
「なんか香り……かな?少し甘い感じが……」