ひとりじめしたい。~イジワルで甘いお隣さん~


そもそも今日初めて出会った人。


名前もまだ知らない他人。


なのに……


背中をポンポンと優しく撫でる彼の手が優しくて……


そっとその腕に体を預けた。



あぁ、人の体温って、こんなに温かったんだ―……




――――――――……


「うわっ!うまっ!!」


「普通のカレーですが……」


「いやいや、この定番の料理をうまく作れるって重要だよ!」


「そ、そうですか……」


「俺、カレー大好物なんだよ!!」


人懐っこい顔であたしに笑いかける彼。



優しい人だな……


「何か隠し味とかある?」


「隠し味……ですか?」


「なんか香り……かな?少し甘い感じが……」



< 16 / 380 >

この作品をシェア

pagetop