ひとりじめしたい。~イジワルで甘いお隣さん~


「あなた、ただのお隣さんでしょ?」


「……」


やめろ……


「あたしと蜜の間に入ってこようなんて、図々しいのよ」


「……っ」


やめろ……


美乃里にそんな悲しそうな顔させるなよ……


まだ意識がもうろうとしてるけど、この状況に……



美乃里の悲しそうな顔に耐えられなくなり、起き上がろうとした……



「わ、わからないです……」


美乃里……?



「確かにあたしはただの隣人です。蜜くんと出会ってそんなに長くない。あなたみたいに季節の変わり目を何度も一緒に過ごしてない」



ギュッと握り拳を震わせながら、声を震わせながら必死に言葉をつなげている。



「でも、それでも蜜くんのいいところはたくさん知ってます!」



っ……


「イジワルだけど、ちゃんとあたしを見てくれる。蜜くんにとってはただの隣人かもしれないけど、ちゃんと大事にしてくれるんです!!」



何言ってんだよ……


ただの隣人なわけないだろ……?


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