ひとりじめしたい。~イジワルで甘いお隣さん~
帰ろうとしたあたしの言葉をさえぎり、制服の裾を掴んで離そうとしない海。
「もう少し時間ある?」
「え?あ、うん」
蜜くんには今日は遅くなるって連絡がいれてある。
「じゃもう一つ付き合ってほしいところがあるんだけど、いい?」
「へ?う、うん、いいよ?」
海も何か買うのかな?
「ここからすぐなんだけど……」
海に連れられるまま歩き出す。
なんかすごくウキウキした様子。
ど、どこに向かっているのだろう……?
「…………ここって」
「さっ、入ろう!!」
「ちょっ、海!?」
ためらいもなく入ってしまった海を追いかけるようにして、あたしもその中へ入った。
「いらっしゃいませ~~」
明るい店員さんの声。
「ここ、かわいいって評判みたいだよ~~」
楽しそうに壁にかけてある商品をとる海。
「ちょ、ここって……」
なんとなく恥ずかしくて頬を染めてしまうあたし。