ひとりじめしたい。~イジワルで甘いお隣さん~
「ふふっ、なんか嬉しい」
っ……
たった今言ったのに……
この子は俺をおかしくする天才だ……
ってか、美乃里はもう少し自分に自信持っていいと思う。
普通にかわいいと思うし。
いや、これは俺の欲目ではなく。
気に入らねぇけど、康平もかわいいかわいい言いまくってるし。
まぁ、このかわいさは俺だけ知ってればそれでもいいんだけどな……
「美乃里、水族館好きか?」
「えっ!?あっ、う、うん!大好き!!」
なんだ今の変な返事は?
でもそっか……
「ならよかった」
電車に少し揺られ、駅を降りてすぐにある水族館。
「うわぁ!!あたし水族館とか小学生の遠足以来だよ!!」
ゲートをくぐる前から楽しそうに俺を見上げる美乃里。
「ほら、そんな一人でしゃいでると置いていくぞ」
「あっ、ちょっと待って!!」
チケットを買ってゲートの人に渡す。