ひとりじめしたい。~イジワルで甘いお隣さん~


「あっ、蜜くん。あたしのチケット代……」


「払うなんて言うなよ」


「え?」


「こういう時くらい男の人に頼りなさい」


「あっ、はい。ありがとうございます」


「いえいえ」


美乃里ってこういうとこしっかりしてると思う。


今まで俺もデートらしきものを何度かしてきたけど、中には男が払うのが当然って女もいたしな。


まぁ、俺もそれで構わなかったんだけど。


「あの蜜くん、チケット……」


「だからいいって」


「あっ、そうじゃなくて、あの、チケットの半券貰えないかな?」


は?


チケットの半券?


意味がいまいちわからなかったが財布に入れた半券を美乃里に渡す。


「ありがとう!!」


「そんなのどうするんだ?」


「え?だって初デートだから!記念にとっておこうかと思って!!」


「っ……」


この子、こういう不意打ち多すぎ。


なんでこう一々かわいいかな―……?


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