ひとりじめしたい。~イジワルで甘いお隣さん~


「じゃあ俺もとっとこ」


「え?」


「美乃里との初デート記念に」


「っ!うんっ!!」



前の俺なら絶対ありえなかったな。


半券なんてすぐに捨ててたし、何より記念なんて考えてもなかった。


今までの彼女と初デートどこに行ったかも、正直ちゃんと覚えているかも微妙だし……



でも美乃里とのことは、ほんの些細なことでも覚えていたい。


今のこの笑顔も。


しぐさも……


俺の気持ちも……


「蜜くん蜜くん!見て見て!これすっごくかわいい!!」


俺の手を握って引っ張る。


「あっ、口パクパクしてる~~」


ふっ、楽しそうだな~~


そんな美乃里を見て、俺も嬉しくなる。


「蜜くん!あれもすごくかわいい!!」


「美乃里、時間はたくさんあるんだし、そんなに焦るなよ」


「あっ……うん。ついはしゃいじゃった」


へへって笑って俺を見る。


< 223 / 380 >

この作品をシェア

pagetop