ひとりじめしたい。~イジワルで甘いお隣さん~
「じゃあ俺もとっとこ」
「え?」
「美乃里との初デート記念に」
「っ!うんっ!!」
前の俺なら絶対ありえなかったな。
半券なんてすぐに捨ててたし、何より記念なんて考えてもなかった。
今までの彼女と初デートどこに行ったかも、正直ちゃんと覚えているかも微妙だし……
でも美乃里とのことは、ほんの些細なことでも覚えていたい。
今のこの笑顔も。
しぐさも……
俺の気持ちも……
「蜜くん蜜くん!見て見て!これすっごくかわいい!!」
俺の手を握って引っ張る。
「あっ、口パクパクしてる~~」
ふっ、楽しそうだな~~
そんな美乃里を見て、俺も嬉しくなる。
「蜜くん!あれもすごくかわいい!!」
「美乃里、時間はたくさんあるんだし、そんなに焦るなよ」
「あっ……うん。ついはしゃいじゃった」
へへって笑って俺を見る。