ひとりじめしたい。~イジワルで甘いお隣さん~
転んだ女の人の手を取り、顔を見て息を飲んだ。
「美乃里……?」
「え?」
美乃里そっくりな顔。
でもどことなく美乃里より大人っぽいメイクに服装。
って、何見とれてんだよ!
「本当にすみません」
「あ、大丈夫ですよ」
やっぱり美乃里に似てる。
笑顔とか特に。
でも、香りが違うな。
この女はバニラみたいな甘ったるい香水の香りがした。
「あっ、じゃあ」
少し驚きつつ、美乃里がいる席に戻った。
まだメニュー表を見てる美乃里を見て、ホッとした。
それにしても、他人のそら似にしては似てたな―……
「蜜くん、何かあった?」
「え?あ、いや。それより何にするか決まったか?」
「うん!迷ったんだけど、このフルーツタルト」
「はいはい」
それを注文して美乃里は満足そうにペロリとそのケーキも食べ終えた。