ひとりじめしたい。~イジワルで甘いお隣さん~


「俺が、美乃里じゃなきゃダメなんだ」


その気持ちは揺るがない。


「あぁーあ!もう本当にうらやましい!!」


「……めい?」


「そう……。うらやましかったのよ……。こんなに蜜に愛されてるあの子が」


「……」


「だから救ってあげて。こんなことあたしが言う資格ないってわかってるけど、美乃里ちゃんの心を助けてあげて」



美乃里の心。


「じゃなきゃ、蜜、いつになっても笑わないんだもん」


「めい」


「あたしの話はそれだけ!!じゃあねっ!!」


そう言って足早に教室を出ていった。



その時のめいの瞳には涙がうっすら見えた……


俺はずっと気づいてやれなかった。


めいの気持ちにも、美乃里の気持ちにも……


そんな俺が美乃里の心を助けるなんて……


―――――――――――……


「じゃあ俺、帰るわ」


「あぁ、美乃里ちゃん、少しでも調子よくなるといいな」



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