ひとりじめしたい。~イジワルで甘いお隣さん~
「あぁ……」
美乃里を助ける方法なんて思いつかない。
そもそもめいのその言葉が原因なのか……?
でも今はそんな方法を考えるより、いち早く美乃里のそばにいてあげたい。
校門に向かう足取りが自然と早くなる。
そして気づいた。
違う高校の制服の女の子がそこに立っていることに。
「加央里……ちゃん?」
「あっ!蜜くん!」
俺の顔を見ると嬉しそうにする。
「なかなか来ないからどうしようかと思ったー!やっぱり他校の前で待つのはドキドキするねっ!!」
楽しそうに話す姿は美乃里とうり二つで胸が締め付けられた。
「あっ、美乃里なら今日は風邪で休んでて……」
「うぅん!違うの!今日は蜜くんに会いにきたの!!」
「え?俺?」
なんでわざわざ俺に?
「あの、ここじゃちょっとあれだから近くのカフェにでも行かない?」
本当はいち早く帰りたい。
でも、この子なら美乃里のことわかるかも知れない。
情けないけど、今の俺にはこの子に頼るしか方法が思いつかない。