ひとりじめしたい。~イジワルで甘いお隣さん~


「あぁ……」


美乃里を助ける方法なんて思いつかない。


そもそもめいのその言葉が原因なのか……?


でも今はそんな方法を考えるより、いち早く美乃里のそばにいてあげたい。


校門に向かう足取りが自然と早くなる。



そして気づいた。


違う高校の制服の女の子がそこに立っていることに。



「加央里……ちゃん?」


「あっ!蜜くん!」



俺の顔を見ると嬉しそうにする。


「なかなか来ないからどうしようかと思ったー!やっぱり他校の前で待つのはドキドキするねっ!!」


楽しそうに話す姿は美乃里とうり二つで胸が締め付けられた。


「あっ、美乃里なら今日は風邪で休んでて……」


「うぅん!違うの!今日は蜜くんに会いにきたの!!」



「え?俺?」


なんでわざわざ俺に?


「あの、ここじゃちょっとあれだから近くのカフェにでも行かない?」


本当はいち早く帰りたい。


でも、この子なら美乃里のことわかるかも知れない。


情けないけど、今の俺にはこの子に頼るしか方法が思いつかない。


< 258 / 380 >

この作品をシェア

pagetop