ひとりじめしたい。~イジワルで甘いお隣さん~
目を吊りよせて俺を見る。
これがこの子の本性に思えた。
「美乃里と似てるなんて思った俺が馬鹿だった。確かに見た目は似てるけど、中身は美乃里の方が何倍もいいな」
「っ……」
こんなやつが美乃里の姉なんて……
「美乃里とは比べるまでもねぇよ。じゃあな」
「ちょっ!待ちなさいよ!!あたしにそんなこと言ってどうなるか……」
――プップー!!
言葉を遮るかのようにして鳴ったクラクション。
テラスにいた俺たちはすぐにその音のに反応した。
「蜜~~!」
「透子!!」
車道の脇に車を止めて、テラスに近寄ってくる透子。
「……美乃里ちゃん……じゃないわよね?」
透子が加央里ちゃんを不思議そうに見つめている。
「美乃里の双子の姉」
すぐにでもここを去りたい気持ちを我慢して、一応紹介だけした。
「へぇー。美乃里ちゃんのお姉ちゃんね~~」
興味深々といったように、加央里ちゃんを覗き込む。