ひとりじめしたい。~イジワルで甘いお隣さん~
「あんな素敵な女の子、他にはいないもの。絶対に離しちゃダメよ」
「……さい」
「え?」
「うるさいっ!!」
ずっと黙ってた加央里ちゃんの怒声。
俺は驚いたけど、なぜか透子は楽しそうだ。
つーか、これは完全に楽しんでる。
「どうしたの?加央里ちゃん?突然怒鳴って」
透子も透子で白々しいやつ。
「妹ちゃんのこと褒めてるのに……」
「は?美乃里のこと褒める?あんなの、どこに褒める要素があるっていうのよ」
「なっ!お前何言って……」
「蜜」
俺が反発しようとすると、透子が俺を遮った。
「あの子は頭は悪いし、昔から物静かな子だし、親だってあたしの方が優秀だってよく褒めてくれる」
やっぱりこいつは美乃里を下に見てる。
「ほんとあんな子、目障りなのよ。いつもいつも幸せそうに笑って。あたしの方が優秀なのに……なのに……」
加央里ちゃんの本心が見え始めた。