ひとりじめしたい。~イジワルで甘いお隣さん~


「だから幸せそうな美乃里を見るのは嫌い。大っ嫌い」


わかっていたけど、はっきり妹に対してこんなこと言うなんて……


「あぁ、あんた美乃里ちゃんがうらやましいんだ?」


「……は?」


さらに透子は火に油を注ぐ。


「あ、あたしがうらやましい?あんなやつのどこが?美乃里が好きな人だって、周りの友人だってあたしを選んだわ」



は……?


選んだ?


「あたしがいいよれば美乃里の好きな人はすぐにあたしを好きになった。あたしは美乃里に負けたことなんて一度もない」


――『あたしなんか……』


ずっと気になってた。


美乃里は自分のことに対して、自信がなさすぎるって……


きっと美乃里は、この姉から逃げてきたんだ……



ずっとずっとコンプレックスに思っていたのかもしれない……


そして美乃里の闇。


「なんか聞いてて、吐き気がするわ」


「は?」


透子と加央里ちゃんの間には、火花が飛んで見える。


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